2017.11.25〜26
China Rowing Open 大会レポート 個人編B

佐々木幹太(3年・漕手)


 遠征に行く前よりは、中国について理解できたと思う。具体的に言うと、中国遠征に行く前は、マナーがあまり無い、昆明は地方都市だからそこまで発展してないのだろう、日本や日本人のことあまりすきじゃなさそう、物価は日本よりは安そう、規模が大きそう、などの曖昧なイメージを持っていた。実際行ってみると、マナーは確かにあまりなかったが、昆明はかなり大きいビルや、ショッピングモールなどが建っているエリアもあり、日本以上の規模であるように感じた。日本人のことをすきじゃなさそうというのは全く違っていて、パーティでは気さくに話しかけてきてくれ、写真を撮ろうと言ってきてくれた。街では割り込みが当たり前で自分優先といった感じではあったが、少し話してみると仲良くしてくれた。また、中国、タイ、台湾、インドネシア、韓国など、様々な国の大学生と英語でコミュニケーションをとるというのも普段では絶対できないことなので、とても良い経験となった。
 中国は中身や、細かいところは少し雑だったり汚かったりするが、様々なものの規模が大きく、壮大だった。今回参加した、China Rowing Openも、規模、スケールだけで見れば日本のインカレや全日本より断然大きかった。大会のレベル自体はそこまで高くはないが、中国にrowingを普及させたいというDeep Diveの想い、それを達成させるためにあそこまでの大きさのスケールで大会を開催することのできる中国の経済の好調ぶりを垣間見た気がする。このままだと、経済面でも、ボート面でも日本は中国に圧倒されていくような気がした。中国に置いていかれないためにも、China Rowing Openの良いところを日本も学び、今後の大会は、もっと一般の人がいるようなところ(都心部)で開催し、大々的に大会があることを告知して集客すると同時に、観客を飽きさせないために観客向けにエルゴ大会を並行して開催してみたらどうだろうかと思った。
 異国の地で、慣れないことがたくさんあったが、ボートに乗った時の安心感が忘れられない。改めて自分はボートが好きなのだと実感した。今回の遠征は自分にとって、中国という国に関心を持つきっかけになり、ボートの楽しさを再認識するものとなった。今回の遠征で感じたこと、学んだことをボートに活かし、さらには今後の人生にも活かしていきたい。

田村航(3年・漕手)


 今回、私の感じたことは、中国の壮大さについてです。まず、国土が広いです。ひとつひとつの建物が大きいし、私たちの宿泊したホテルも広大な敷地を有していました。飛行機から見た中国の都市設計がやや雑然としていたこと(日本のように整理されておらず、広大な土地を大胆に使っている感じ)、昆明での道の整備が雑だったこと(道が急に1車線から3車線になる等)も、国土の広大さならではのものだと思いました。それを思うと、日本の至る所での正確さや緻密さも、裏を返せば狭い土地の中で効率的に生きるための処世術に過ぎず、せせこましく生活しているだけなのではないかと思えました。
また、主に大会を通じて、中国の経済面での壮大さも実感しました。この大会は、中国の大手不動産企業の子会社である、Deep Diveというボート専用のスポーツ財団(?)が主催したもので、主に国内へのPRを目的としているようです。大会の規模や、全大学の招待費用を負担していること、開会式や閉会式、パーティーといったセレモニーの豪華さには驚かされ、一企業のPRのためにここまでの予算をかけられる中国企業の懐の深さを感じるとともに、これが中国全体の経済成長を表しているようにも思えました(もしかしたら、ボートという歴史ある紳士のスポーツを利用して、文化面でも中国という国の権威を高めようとしているのかもしれません)。

多田大樹(3年・漕手)


 台湾の選手との会話の中で聞いたエルゴのトップスコア6分01秒という数字はすぐには信じられないほど衝撃的でした。はじめは信じられなくて何度か聞き返してしまいました。膨大な人口を抱える中国であればいざ知らず、日本より人口も少なく、国土も狭い台湾に荒川さん(端艇部OB/NTT東日本所属)を上回るほどの選手がいるとは世界のレベルは本当に高いんだなと思い知らされました。
 それと比べて自分自身は世界どころか部内の平均レベル、学年内の平均レベルにも届いていない。季武さんのおっしゃった「勝つために必要なことのうちある程度はできているけどまだ最後の詰めが甘い。そこが実際に勝つチームとの差だ。」という言葉が思い出されました。自分が今やっていることはまだまだ全然足りていない。冬の期間でどれだけ質の高い練習が出来るかを追及していきたいです。今はチームでも下半分ですが、冬が明けるまでには大きく成長していたいと思います。

増田創史(2年・漕手)


 この遠征で一番の収穫はやはり海外の大学とのボートを通じた海外交流です。今まで多くの時間を戸田で過ごしており、他の大学生がよく取り組んでいるような海外に出向いていろいろな国籍の人々とのコミュニケーションをとる機会というものがなかなかありませんでした。しかし我々が大学時代を賭けて取り組んでいるボートという分野でこのようなことができたのは非常に良い経験になったとともに、単純に嬉しさを感じました。
 ボートの技術面に関してはこれといった収穫は得られなかったように思えます。ボートの巧さを学ぶのなら戸田にいる強豪大学や社会人チームの漕ぎを分析した方がためになると感じました。ただ外国の選手たちのフィジカル面は学ぶものがありました。まず背が高く手足の長い選手が多いです。それと筋肉トレーニングをしっかり行っているチームのクルーは胸板などの体の厚みが日本人とは大きく異なっていました。
 我々が出場したChina Rowing Openという大会は非常に盛大に行われました。開会式には多くの人々が駆けつけ、選手入場、現地民族のダンスや花火など盛りだくさんでした。この大会をより大きなものに見せ、国内外からの注目を得ようとようとしていることが伝わってきました。大会の運営に関しては大学生のボランティアが使われていることが特徴でした。彼女たちは僕ら海外チームの通訳や大会に関するお世話をしてくださり、学生活動の一環としてやっているようでした。また、僕は選手同士の近さを感じました。我々のホテルには他の出場大学も泊まっており食事会場に居合わせることや、会場での待機場所もひらけた1つの場所に固められており、そこでコミュニケーションをとるということもしばしばありました。さらに閉会式ではともに民族ダンスを一緒に踊り、最終日の夜には大きなホテルの会場でパーティーが用意されていました。ここまで選手同士の物理的、心理的な距離が近かった大会は初めてでした。この大会の位置付けは特殊ではありますが、日本の大会は勝敗をはっきりさせることに重きを置く傾向にあるため、このような大会は少ないのではないかと感じました。またそのような大会があったとしても出場に至るチームというのは少ないのではないかと戸田の雰囲気から察します。良し悪しはわかりませんが、出場することで新たな価値観を発見できることは確かであると感じました。